メタキャストCVの日々雑感

7月 16 2011

人間は、自分と関係ない人の情報より、関係ある人の話題に強く魅かれる生き物だ。1日の時間は限られており、自分ごとの情報が16倍になるということは、それ以外のメディアから垂れ流される情報の多くは、今以上にスルーされるということ。つまり、人々が興味を持たない、楽しめない、共感できない一方的な情報は全く流通しない。そんな時代がそう遠くない将来、確実にやってくることを意味している。

ムーアの法則は、40年という長きにわたり、それまで存在しなかったコンピュータ・ネットワークを世界中に張り巡らせ、多くの産業を勃興させた。それに対してシェアの法則は、すでに巨大化している情報産業に対して、パラダイムシフトをもたらすものだ。情報産業は「限られた時間」の奪い合いのため、産業全体の成長を促すというより、産業構造の劇的な変化を促進するはずだ。

ポスト・ムーアの時代。シェアの法則が加速するパラダイムシフトとは?:In the looop:ITmedia オルタナティブ・ブログ

比喩的に言うと、これからは人間がコンテンツを検索するのではなく、コンテンツが人間(正確には人間の行動や気持ちの一瞬一瞬)を検索する時代になるのだろう。これまでのように、特定の事業者がネット上のページをくまなくクロールしたり、内容を解析してメタデータやインデックスをつけたり、ページ間の関係性をモデル化したり、それらをデータベースに格納するだけでは、ムーアの法則に従って過剰化を続ける計算リソースを消費し切れない。1995年のYahoo!創業前後に使われていたサーバーと同程度の計算能力をもつスマートフォンを人間が持ち歩くようになった時に、そのマシンが果たしてどのように持ち主の行動を把握し、その瞬間の意図や気持ちを推論し、そして他の人間やサービスとの連絡や交通整理を買って出るのか。「エージェンシー」という業態の花形的意義も、大企業の広宣活動を特権的に代理するという20世紀的な経済規模主義をベースとしたものから、個々の人間の欲求を個別具体的に代弁し情報をフィルタリングする非常にマイクロ且つフツーな存在へと変容するのでしょう。とりあえず今のところは、あと3年くらいの間にユーザーのカラダの一部になるようなスマホアプリがどの程度出現するのかを非常に注目しています。

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