7月 16 2011
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“ 裏返せば、人々が自発的に助け合える「災害ユートピア」の可能性を喪失させてしまうメカニズムは、人間はしょせん利己的だとするアジェンダに自縄自縛となった西洋近代と、富の総量を一定と見なし倹約(私益抑制)に従わないものに悪の烙印を押しがちな日本社会とでは異なっていますが、そこから導かれる教訓には重なるところがあるともいえます。ソルニットが述べるように、想定外の衝撃によって生じた困難の中で「片側通行の慈善とははっきり異なり、相互扶助への参加者全員が、与える側と受け取る側の両方であることが人々を団結させる」(p124)のに対し、そこに“与える側/受け取る側、秩序を守る側/乱す側、節制する側/貪る側”といった日常の対立枠組を持ち込むことが、「災害の起きている瞬間には利他主義が優勢だが、それに続くのは、時にスケープゴート探し」(p119)という状況を招くのだと。