1月 01 2012
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啓蒙は世界を「脱神話化」することによってその意味を剥奪し、爆発的な富の増大を実現したが、それはかえって人々の意味への渇望を生み出し、啓蒙を清算して科学を否定しようとする大衆運動を生み出す。いま起こっている反原発運動がファシズムと共通するのは、科学的データを「御用学者」と否定して「正義か悪か」を判断基準にしようとする呪術的思考である。
(中略)
今われわれが直面しているのは、産業革命以来ずっと続いてきた啓蒙による自然の支配の結末であり、それは原子力で初めて起こった出来事ではない。原発が「人類のコントロールできない技術だ」と糾弾する柄谷行人氏は、石炭火力が原発の数百倍の人命を奪っていることを知っているだろうか。エネルギー技術は、エントロピーを増大させて世界を汚染する「近代社会の原罪」だが、もう罪のない楽園に戻ることはできないのだ。
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現代社会がある程度依存している核技術や遺伝子組み換えに対して我々の一部が持つ根源的な不信感(神の領域を侵している的な主張)は、人工知能による細かい制御が社会インフラ全体に不可逆的に組み込まれていく未来のどこかのポイントにおいて、大きな反科学ムーブメントとして結実することになるのだろうか?
こんな事を考えるたびにかつてチャーチルが資本主義について語った次の言葉を思い出す。”Market economy is the worst form of system except all the others that have been tried.”