メタキャストCVの日々雑感

10月 16 2011

「や、やったー」朝のラッシュで賑わう改札で、サラリーマン風の男が興奮を抑えられず叫んだ。みんなの注目が電車の発車時刻を示す電光掲示板の下のスロットに集まった。緑のLEDでかたちどられれた数字がクルクルと回り始める。駅全体が息を呑んだ。数字が静かに止まる。電光掲示板には10,000,000という数字表示された。と、同時に「うぉー」という低い歓声が張り詰める空気の中で響きわたった。「1000万円が当たったのだ」男は満面の笑みを浮かべ管理事務所に向かった。

(中略)

なぜこんなにゲーミィフィケーションが日本を多い尽くしたのか。それは2011年までさかのぼる。当時、ソーシャルネットワークとスマホが同時に普及しはじめ、クソゲーと呼ばれる単純なゲームが流行っていた。当初「子供だまし」とばかにしていた大人たちも次第に夢中になっていった。そして、これに目をつけたのが、当時の野田政権だ。「ドーンと目指せ総理大臣」というソーシャルゲームを開発した。一般市民から市議、国政へ、自ら政党を作り総理大臣になるという単純な内容だったが、ところが「票を買う」や「選挙事務所に置くだるま」などのアイテムが予想以上の売り上げを記録し、その年の国費の歳入減を補ってしまったのだ。政権与党であった民主党は、翌年にはゲーミン党と改名し、総選挙でも圧勝した。

野田政権には、おリからの円高も追い風だった。大打撃を受けた製造業は次第にグローバル経済からその場を追われていく。製造業からサービス業へのシフトを余儀なくされた日本経済が一途の望みをかけたのがゲーミィフィケーションソフトの開発だ。ファミコン以来培ったゲームのノウハウをあらゆる社会インフラに活用し、それを世界中に広げようという戦略的な試みだ。
野田総理がおこなった「クールジャパンからクルクルジャパンへ」という歴史的な演説が行われたのは、2013年のことだった。いまや日本は世界一のゲーミィフィケーション輸出国になり高度経済成長が再び訪れようとしていた。

政府はこのゲーミィフィケーションを活用して次のステップに進もうとしていた。それはまず租税改革だ。まずはゲームに夢中になる国民に向けて、ゲームに参加するためにはIDが必要であることを利用し、長年の念願であった国民総背番号制の導入をすることだ。次に納税自体にゲーミィフィケーションの概念を入れて、増税していないようにみせかけて実は増税しているという新しいロジックを確立しようとしていた。既に財務省は省内にゲーミィフィケーション局を設置していた。警察機関も積極的な動きを見せていた。それはゲームに参加するときには、必ず位置情報が必要になることを活用した、全国民監視システムの導入だ。国民が保有するスマホを活用することで低コストで完璧なシステムができると期待されていた。

2018年、ようこそゲーミフィケーションの世界へ。 - ダダステーション

よくよく考えるとGamificationというのは、人間が取るあらゆる消費行動を「一物一価」にするためのエンジンなんだな。オークション的な要素を生活の全面に取り入れることで社会全体がより効率良く回るのだとすれば、これは資本主義の一つの進化形態なのかも。そのうちにモノの値段が数日〜数ヶ月改訂されない今の社会を「原始貨幣社会」と振り返る日が来たりして。。GREEが全てのスマホのお財布機能を牛耳ったら日銀を超える存在になりますね。

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